空手 再選考の4選手が“一発勝負”へ意気込み

 空手の東京五輪出場権を争うランキングポイント対象大会であるプレミアリーグ(PL)リスボン大会(ポルトガル)へ向け、選考の懸かる4選手が24日、オンラインで取材に応じた。日本勢にとって今大会が最後のポイント対象大会で、組手男子67キロ級と女子61キロ級の選考が懸かる。

 同階級は、五輪ランキングのポイント対象大会だった昨年3月のPLラバト大会(モロッコ)がコロナ禍で中止となったため、その時点のランキングで一度は代表が決定。しかし世界空手連盟(WKF)が代替大会の実施を決め、選考の見直しが決まった。事実上の再選考。一発勝負へ懸ける思いを語った。

 男子67キロ級の代表に一度は内定した佐合尚人(高栄警備保障)は「この1試合で全てが決まる。何が何でも、自分の力で勝ち取りたい」と意気込み。今回のPLでは61キロ級に出場するが「減量も不安はない。自分の持ち味である攻撃技を磨いてきた」と拳を握った。

 再選考の機会を得た篠原浩人(マルホウ)は「すごいプレッシャーや緊張があると思うけど、一瞬で勝負が決まる。一瞬一瞬を楽しもうと思っています」。4歳の長男、3歳の長女、1歳の次女のパパでもあり「金メダルを持って帰りたい」と力強く語った。

 女子61キロ級で一度は内定した染谷真有美(テアトルアカデミー)は「とにかく練習してきたことを出し切りたい気持ちが大きい。大切な試合だけど、結果を恐れず、自分らしく戦い抜きたい」と抱負。姉・香予は61キロ超級での東京五輪代表を逃しているが「一緒に夢を追いかけている状況はずっと変わらない。一番の支えになっている」と感謝した。

 挑戦権を得た森口彩美(AGP)は昨年6月に股関節を手術。本格的な練習復帰は12月頃という。「空手のマットに帰ってこられるかなって不安もあったけど、試合ができるのがすごくうれしい。チャンスをもらったので、これを絶対逃さないでつかみ取りたい」と話した。

 ◆空手五輪への道 日本は全8種目で1枠ずつの開催国枠が与えられており、世界大会がポイントの対象となる五輪選考用ランキングで決まる。男子形の喜友名諒(劉衛流龍鳳会)、女子形の清水希容(ミキハウス)、組手で男子75キロ級の西村拳(チャンプ)、同75キロ超級の荒賀龍太郎(荒賀道場)、女子55キロ級の宮原美穂(帝京大職)、同61キロ超級の植草歩(JAL)はPLラバト大会以前に代表を確定させており、変更はない。

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