医療体制巡り内輪もめ 丸川五輪相が都を批判「具体策、お示しいただいていない」

 丸川珠代五輪相(50)が27日、閣議後の定例会見を行った。東京五輪・パラリンピック組織委員会が日本看護協会に大会の医療スタッフとして看護師500人の確保を要請。新型コロナウイルスの感染拡大による3度目の緊急事態宣言の中、世論の反発を招いているが、「(要請は)承知している。組織委に確認したところ1カ月前に要請したと伺っている。ピークの日で1日400人(が必要)ということだったので、そこから考えて削りこんで本当に必要な人数を精査してご相談しているのだろう」とし、「医療への負荷を掛からないようにするのが前提。組織委員会には看護協会のお話をよく伺って、どういう体制を築くのか考えるようにと話している」と、説明した。

 一方で、政府としての支援を問われると、突如として都に対する不満が溢れ出た。「まず今後、必要になるかどうかを東京都に示していただきたいというのが私の正直なところ。私が知る限り、東京都がこの厳しいコロナの状況で(大会を)開催するのに、どのように取り組んでいくのか、具体的なことを私たちにお示しいただいていない。残念ですけど、感染症の専門家にご相談しているのかも明確ではない。現場を預かるのは東京都ですから、おそらく現場の状況を1番分かっている。この状況を打開するために何ができるか。どういう資源があるのか。東京都がまず、一方では大会の主催者であり、一方では医療の現場を預かっている。この両方の責任をどのように果たすのか、明確な発信なり、方向性なりを示していただかないと、私たちもそれをどのようにご支援していいのか、非常に戸惑っている」と、具体策を示さぬ都に苦言。「実は投げかけはさせていただいている。私も懸念しているので。内々的には事務方を通じて投げかけをさせていただいているが、いまだ明確に“私たちとしてはこうして感染状況を抑えたいので、こうしたい”というのが何も届いていない」と、批判した。

 16年都知事選で、別の候補を応援したことから犬猿の仲ともささやかれる丸川五輪相と、小池百合子知事。大会まであと3カ月を切る中、突如として内輪もめが露呈した。

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