フクヒロ移籍のバド新チーム リーグ参加一転OKへ 日本協会決定却下「合理性欠く」
昨年新設されたバドミントンのチーム・丸杉Bluvicが、日本協会から国内リーグのS/Jリーグへの加盟を認められない決定を受けたことを不服としていた問題で、日本スポーツ仲裁機構は28日、協会側の決定を取り消す判断を発表した。これにより、S/Jリーグへの参加は決定的。同チームには女子ダブルスで福島由紀(27)、広田彩花(26)組らが所属している。
丸杉Bluvicは、資金難で運営に行き詰まった1部リーグ所属のアメリカンベイプ岐阜の選手・スタッフを受け入れる形で新設された。ただ、同チームを運営する丸杉は既に2部リーグに別チームを持っていたことから、リーグを運営する日本協会は1事業所による2チーム参加に難色を示し、丸杉Bluvicのリーグ加盟を認めないことを決定。チーム側はそれを不服として申し立てを行っていた。
仲裁機構は、争点である「同一事業所で複数チームの出場は認めない」というリーグのルールについて、過去に同一企業の別事業所で複数チームが参加していた事例があることや、ルール解釈の変更についての周知がなかったことなどを挙げ、今回の加盟取り消しの決定について「規則には違反していないが著しく合理性を欠く」と判断。
また、前身のアメリカンベイプ岐阜の登録選手12人のうち新チームに移ったのは7人(58・3%)で、日本協会側が承継チームの要件である「6割」に満たないと主張していたが、仲裁機構は「6割ルールが唯一絶対的な要件とまでは認めることはできない」とし、新チームと前身チームとの同一性が認められると判断した。
この度、日本協会の決定が取り消されたことで、丸杉Bluvicの20年度シーズン(新型コロナ禍で全試合中止)のリーグ加盟は決定的となった。ただ、21年度以降のシーズンについては今後の新たな判断に委ねられる。また、丸杉Bluvic側は、前身のアメリカンベイプ岐阜を引き継ぐ形で1部リーグへの参加を求めているが、これについても日本協会の判断となる。