丸川五輪相 医療体制巡る都への苦言再び「大会が取ってしまうのではないかという懸念」
東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長(56)、東京都の小池百合子知事(68)、丸川珠代五輪相(50)、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長(67)、国際パラリンピック委員会(IPC)のアンドリュー・パーソンズ会長(44)による5者協議が28日、開催された。
前日に大会に向けての医療体制を巡り、都を批判した丸川五輪相は「都が主催者で、医療体制については国民の関心が高い。ワクチン接種やコロナ医療から大会が(医療関係者を)取ってしまうのではないかという懸念も生じている。そういったのも率直にお伝えした」と苦言を続けた。
丸川五輪相は27日の定例会見で、突如として都に対する不満を吐露。「まず今後、必要になるかどうかを東京都に示していただきたいというのが私の正直なところ。私が知る限り、東京都がこの厳しいコロナの状況で(大会を)開催するのに、どのように取り組んでいくのか、具体的なことを私たちにお示しいただいていない。残念ですけど、感染症の専門家にご相談しているのかも明確ではない。現場を預かるのは東京都ですから、おそらく現場の状況を一番分かっている。この状況を打開するために何ができるか。どういう資源があるのか。東京都がまず、一方では大会の主催者であり、一方では医療の現場を預かっている。この両方の責任をどのように果たすのか、明確な発信なり、方向性なりを示していただかないと、私たちもそれをどのようにご支援していいのか、非常に戸惑っている」と、具体策を示さぬ都に苦言。「実は投げかけはさせていただいている。私も懸念しているので。内々的には事務方を通じて投げかけをさせていただいているが、いまだ明確に“私たちとしてはこうして感染状況を抑えたいので、こうしたい”というのが何も届いていない」と批判した。
その後、小池知事は「既に実務的に詰めている」と、反論。「連携しながらやっていくことなので、コミュニケーションを取る必要がある。安全安心な大会にすべく、それぞれが力を出していく」と話していた。
丸川五輪相と、小池百合子知事は16年都知事選を巡り対立し、犬猿の仲ともささやかれる。