金井大旺“リオ銀タイム”で日本新 「想定はるかに上回った」13秒16

 「陸上・織田記念国際」(29日、エディオンスタジアム広島)

 男子110メートル障害で金井大旺(たいおう、25)=ミズノ=が、高山峻野(ゼンリン)の19年の日本記録を0秒09更新する13秒16(追い風1・7メートル)で制した。

 雨上がりの競技場に、突如歓声が巻き起こった。金井は序盤から加速すると、勢いのままにゴール。速報値は13秒18で、その後13秒16と発表された。日本新記録に、金井も「想定した記録をはるかに上回った」と驚きの表情だった。

 追い風1・7メートルと好条件の下、リオ五輪で銀、19年世界選手権では銅メダルに相当する好記録をたたき出した。「追い風に乗って走れた。風がない状態では分からない」と気を引き締めつつも、「ブレーキすることなくできて、とてもいいレース」と手応えも十分だ。

 実家が歯科医院で、五輪後は医師を目指すと公言しており、「区切りを付けてやっているからこそ記録につながっている」と集中力につながっているという。冬季も「充実したトレーニングがつめた」と、体重を1キロ増やして五輪シーズンに挑んだ。

 東京五輪参加標準記録の13秒32も突破した。五輪内定には6月の日本選手権で3位以内に入るとことも重要で、「まずは出場権を獲得することと、決勝進出を目指したい」と目標を定める。その先の大舞台では、「悔いのないように出し切りたい」。集大成の五輪へ、力を尽くす。

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