広中璃梨佳と安藤友香「一緒に…という思い」以心伝心でともに五輪切符獲得
3日に行われた陸上の日本選手権1万メートル(エコパスタジアム)で東京五輪代表に内定した女子の広中璃梨佳(20)=日本郵政グループ、安藤友香(27)=ワコール、男子の伊藤達彦(23)=ホンダ=が4日、静岡県掛川市内で行われた記者会見で、内定から一夜明けた心境を語った。全員が初の五輪出場。オレンジの「JAPAN」のユニホームで登壇した3人は、コロナ禍での今大会開催に「感謝したい」と声をそろえた。
昨年、広中は5000メートル、安藤はマラソンでの五輪出場権を逃し、その悔しさを糧に臨んだ1万メートルだった。レースは広中がトップでけん引し、中盤以降は安藤とのデッドヒート。5000メートル付近で広中がレーンをずれて先頭を安藤に譲る形になり、その後は並走が続いたことに、安藤は「一緒に行こうと言われてるんだなと勝手に解釈していた。ありがたみを感じながら走っていた」と感謝した。
一方の広中も「5000メートル以降のきつくなる場面ですっと前に出てくださった。後ろについているときは、離れないぞとついてくらいついた。一緒に(五輪参加)標準記録を切りたいという思いがあった」と、2人の間に以心伝心があったことを明かした。
昨年12月の日本選手権でライバルの田中希実(豊田自動織機)に惜敗した広中は、1万メートルは2戦目で「世界で戦う上ではまだまだ課題も多い」と先を見据える。また、安藤も「今回の結果を受けとめて課題を克服できるように頑張っていきたい」とともに成長を誓った。