阿部詩、オール一本勝ち 五輪前最後の実戦で弾み「だいぶ自信を持てるようになった」

 「柔道・グランドスラムカザン大会」(5日、カザン)

 女子52キロ級で、東京五輪代表の阿部詩(20)=日体大=が4試合をオール一本勝ちで優勝した。試合から一夜明けた6日、オンラインで取材に対応。五輪前最後の実戦で弾みをつけ「自信を持てた」と手応えを口にした。同48キロ級は、五輪代表の渡名喜風南(25)=パーク24=が4試合全て一本勝ちで制した。

 納得の締めくくりとなった。阿部詩は、五輪本番前ラストマッチで反則勝利を含む4試合オール一本勝ち。会心の内容で優勝し「自分の柔道ができた。今大会でだいぶ自分に自信を持てるようになった。五輪に向けてすごくいい最後の試合になった」と大きな手応えを口にした。

 得意の袖つり込み腰が警戒されて決まりにくくなっている中、足技の駆使などをテーマに設定。準決勝は袖つり込み腰の体勢から大内刈りに連絡して一本勝ちするなど、着実な成長を示し「以前よりも技の幅が広がってきた」とうなずいた。

 コロナ禍で1年の実戦ブランクを経た3月のGSタシケント大会は、優勝したものの攻めあぐねる場面が目立ち、決勝も不戦勝となるなど不完全燃焼。短いインターバルで今大会を総仕上げの場に選び、狙い通りの内容で締めた。「前回の大会だけで五輪に臨んでいたら少し不安だったが、今回優勝という形で終えられて自信を持てた」と胸を張った。

 帰国後に2週間の隔離期間を経た後、最終準備段階に入る。「残り3カ月、最高の準備をして最高のパフォーマンスができるように、悔いなく五輪までやり切りたい」。7月25日の本番に向けて、いよいよ出撃準備を整えた。

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