高谷惣亮、3大会連続五輪切符「感極まった」32歳“タックルおじさん”健在

 「レスリング・東京五輪世界最終予選」(6日、ソフィア)

 男子フリースタイル86キロ級で、高谷惣亮(32)=ALSOK=が4試合を勝ち進んで決勝進出を決めた。これで2位以上を確定させ、五輪出場枠を獲得。12年ロンドン、16年リオデジャネイロに続く、3大会連続での五輪代表に決まった。

 崖っぷちに立たされた第一人者が、3度目の五輪切符をもぎ取った。4月のアジア予選では、勝てば五輪が決まる準決勝で、終了間際に逆転したかと思いきや微妙なジャッジにもあって惜敗。さらに、よりレベルの高い世界予選に向けては、帰国後の隔離で練習できない状態で臨むことになったが、底力を発揮した。

 運命の準決勝は序盤から得点を重ねてリードし、最後も相手をリフトしてから2点を奪ったところで試合終了。勝利のパフォーマンスをする考えもあったというが、「色んな感情が出てきて感極まった」と珍しく両手で顔を覆って感慨にふけった。「一番最初に思い浮かんだのが弟への感謝」。アジア予選から続けて帯同し、サポートしてくれた弟大地(自衛隊)と2人でつかんだ喜びをかみしめた。

 「タックル王子」の愛称で知られる高谷も4月で32歳。「もうタックルおじさん」と自嘲するが、日本代表トップの身体能力はいまだ進化を続けている。主戦場だった74キロ級から、18年に86キロ級に階級を上げたものの、世界の猛者と渡り合う技術とスピードは健在だ。

 「金メダルを予約している」と豪語する東京五輪はコロナ禍で危ぶまれている状況だが、苦しんで切符をつかんだだけに開催を祈るしかない。「なかなか国民の理解を得られない中での舞台にはなると思うが、アスリートはアスリートの信念を持って戦っている。僕もそこで金メダルを取るために日々切磋琢磨(せっさたくま)しているので、金メダルを取って祝福される選手、大会になってほしい」と腹の底から願いを込めた。

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