NYT紙が東京五輪中止求める寄稿掲載「茶番やめるべき」 著者「いい加減にしろ」
米有力紙「ニューヨークタイムズ」(電子版)は11日、「スポーツイベントはスーパースプレッダーイベントであってはならない。五輪は中止だ」と題したパシフィック大政治学教授のジュールズ・ボイコフ氏のエッセイを掲載した。ニューヨーク・タイムズは4月にも日本と世界にとって「一大感染イベント」になる可能性に触れ、開催再考を訴えていた。
ボイコフ氏は新型コロナ禍での五輪開催について、感染が拡大する危険性を指摘。強行に突き進む理由について「3つある。金、金、そして金だ」と皮肉った。開催への姿勢を崩さない主催者を批判し「危険な茶番をやめるべきだ。東京五輪をキャンセルする時がきた」と、強調した。
同氏は米国内の五輪放映権を持つNBCに、今年2月に女性蔑視発言をした組織委の森喜朗前会長を批判する記事を、3月に「聖火は消されるべき」としたオピニオン記事を寄稿していた。
ボイコフ氏は自身のツイッターで記事を紹介し「東京五輪のキャンセルを要求するエッセイを書いた。公衆衛生は経済的利益よりも重要です。いい加減にしろ(Enough is enough)」と、つぶやいた。
開幕まであと2カ月半となる中、東京五輪・パラリンピックについて、米国メディアから中止への提言が相次いでおり、。米有力紙ワシントンポストは5日に日本政府に対し、中止を決断し、費用の「損切り」をすべきだと促すコラムを掲載した。コラムでは、新型コロナウイルス禍の中で日本に五輪開催を強要しているとして、IOCの姿勢を糾弾。「収益のほとんどを自分たちのものにし、費用をすべて開催国に押しつけている」とし、バッハ会長を「ぼったくり男爵」と皮肉った。4日にサンフランシスコ・クロクニル紙が東京五輪について「開催されるべきではない」とする記事を掲載。インドなどではコロナ禍で深刻な状況が続いているとし、開催には「時間が足りない」と訴えていた。