村上茉愛が涙の復活V!2大会連続の五輪決定 アクシデントもエースの力魅せる

 優勝した村上茉愛の床運動の演技(代表撮影)
 女子個人総合で優勝した村上茉愛の床運動(代表撮影)
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 「体操・NHK杯」(15日、ビッグハット)

 東京五輪代表最終選考会を兼ねて女子が行われ、18年世界選手権個人総合銀メダリストの村上茉愛(24)=日体ク=が4月の全日本選手権との合計得点で168・030点をマークし、3年ぶり3度目の優勝を飾り、2大会連続の五輪代表入りを決めた。2020年2月の左アキレス腱断裂から復帰した寺本明日香(25)=ミキハウス=は5位に終わり、3大会連続五輪代表を逃した。

 堂々と、日本女子のトップとして勝ち取った五輪切符。代表決定の会場インタビュー。苦闘の歩みを思い返し、村上の瞳から涙があふれた。

 「ケガがあったりとか、3年間がすごく長かったんですけど…。体操が好きということを改めて分かることができたし、一から競技力も人間力も見直せた。ケガする前より強くなれたと思います」

 2種目目の段違い平行棒で最初の離れ技からバーをつかんだ時に、左手が外れるアクシデント。それでも他の3種目で演技をまとめきり、追随を許さなかった。

 18年世界選手権個人総合で銀メダルを獲得。その後は女子のエース、東京五輪のメダル候補として重圧を背負い続けてきた一方で、度重なる故障に泣いてきた。19年は負傷で、五輪団体出場枠を盟友の寺本らに託す形に。今大会も過去のケガが「フラッシュバックした」とトラウマに苦しんだ。会場入り後に左太ももを痛めてしまうアクシデントも乗り越え、2度目の夢舞台にたどりついた。

 共に日本女子をけん引し、自身の故障時には支えてくれた寺本が落選。盟友の思いも背負い、日本女子団体では1964年東京五輪の銅メダル以来となるメダル獲得を目指す。「一緒に戦えないのは残念だけど、明日香の分までいい演技をして、感謝を伝えたい」。コロナ禍で開催の是非を問う声が強まり、不透明な状況が続く。「選手としてはいつ来てもいいように準備しておくだけ。やるべきことをやって待ちたい」。よどみのない真っすぐな瞳で、夏を見据えた。

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