高橋大輔「すごく迷った」難しい選択明かす 故郷岡山で聖火リレー代替行事
フィギュアスケート男子のバンクーバー五輪銅メダリストで、アイスダンスで来年の北京五輪を目指す高橋大輔(35)=関大KFSC=が19日、岡山市内で行われた聖火リレーの代替行事に参加した。倉敷市出身の高橋は当初同市内を走る予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大で公道での走行が中止となり、代わりに開かれた式典での「トーチキス」で聖火をつないだ。高橋は「少しでもみんなが元気になりますように」とメッセージを込めて次走者に炎を渡した。
岡山県ではランナーとして参加する予定だった、1992年バルセロナと96年アトランタの五輪2大会で女子マラソンのメダルを獲得した有森裕子さん(54)が、新型コロナ感染拡大を理由に辞退した。高橋も式典後の取材で、今回の参加について「難しい状況でいろんな意見がある中ですごく迷った」と率直な思いを語った。
男子フィギュアスケート初の五輪メダリストとしてだけでなく、「開催されるかはわからないが、僕自身も北京五輪を目指しているので、聖火をつないでいきたいと思った」と高橋。また「オリンピアンとしてオリンピックをなくしたくないという気持ちもある」と説明した。
微妙な状況に置かれている各競技の選手たちへ、激励の思いも強い。「夏季と冬季は違うが、すでに1年延期で難しい調整になっている。(開催の可否が議論され)中ぶらりんの中で五輪を目指さないといけない。(選手に)あきらめずに頑張ってほしいという思いで聖火をつないだ」。厳しい状況を理解しながらも、五輪の重さを知るからこそ下した選択だった。