丸川五輪相、五輪中止で国の財政リスクないと言及「組織委資金不足なら都が補填」
丸川珠代五輪相(50)が21日、閣議後の定例会見を行った。新型コロナウイルス感染拡大で今夏の東京五輪・パラリンピック開催に懐疑的な声が広がる中、大会を中止した場合の財政リスクに言及。主催者の大会組織委員会が資金不足となった場合、同じく主催者の東京都が赤字を穴埋めすることになるため、「東京都の財政規模を踏まえると、組織委の財政不足を補てんできないことは想定しがたい」と、国にまで財政問題が及ぶことはないとの見方を示した。
前日の国会でも、大会が中止になった場合に生じる財政的な問題について質問があったという。丸川氏は、大会招致時の立候補ファイル内で責任主体が明確になっているといい、「万が一、組織委が資金不足に陥った場合は東京都が補てんするが、東京都が補てんしきれなかった場合は、国内の関係法令に基づいて国が補てんする」との認識を示した。
地方財政制度に基づき、東京都が財政再生団体に陥った場合についてのみ、国から東京都への財政支援を行うというものだが、「東京都の財政規模を踏まえると、組織委の財政不足を補てんできないのは想定しがたい」と、国が赤字を補てんする可能性は限りなく低いと強調した。
ただ、あくまで開催に向けて準備を進めることが前提。「東京大会の在り方は、主催者のIOC、IPC、組織委、東京都で最終的に決定されるもの。政府としては引き続き、安心安全を最優先に関係者と連携しながら準備を着実に進めていく」とした。また、開催可否決定の時期については「中止をいつまでに決めないといけないのかは、中止しなきゃいけないと思っている方と、やるための努力している人とはモノの見方が全く逆からなので、同じ言葉で説明してもなかなか伝わらない。もう少し皆さまに伝わる伝え方を考えていきたい」と明言を避けた。