阿炎 無傷の7連勝で2場所連続幕下優勝 来場所の十両復帰当確
「大相撲夏場所・13日目」(21日、両国国技館)
元小結の東幕下7枚目、阿炎(27)=錣山=が出羽ノ龍(出羽海)との全勝対決を制し、無傷7連勝で2場所連続幕下優勝を果たし、名古屋場所(7月4日初日、ドルフィンズアリーナ)で十両復帰を当確させた。
阿炎は昨年7月場所中、場所前に接待を伴う飲食店に通うなど、協会の定める新型コロナ感染防止の規定に違反。3カ月出場停止処分を受け、先場所、幕下で復帰した。引退届は協会預かりで次に問題を起こした場合は即受理される措置となっている。
「一番ずつ集中できた場所。(復帰した)先場所は国技館の広さに戸惑いながら集中していた。今場所は少し慣れて相撲にもっと集中できた。落ち着いて自分の距離で相撲が取れた」と振り返った。
昨年7月場所時は新婚で、その後、娘も生まれた。関取復帰は支えてくれた人々へお恩返しになる。「土俵に上がれる喜びと応援してくれた皆さんのおかげでこの2場所につながった。厳しい言葉をかけてもらったし温かい言葉もかけてもらって励みになった。前に進ませてもらった以上、前に進まないといけない」と神妙だった。
迷惑をかけっぱなしの師匠・錣山親方(元関脇寺尾)には「帰ってすぐに集中して取ることができました、と報告したい。その後に家族に連絡します」と語った。
新型コロナウイルスのこともあり、今も家族とは別れ、部屋で生活している。毎日テレビ電話で娘を見て「だんだん顔も変わってきた」と成長を確認。支えてくれた家族に来場所、関取に返り咲いた姿を見せることができる。