IOC 事実上の“開催宣言”緊急事態宣言でも世論8割反対でも強行示唆「我々の仕事する」

 東京五輪の準備状況を監督する国際オリンピック委員会(IOC)の調整委員会と大会組織委員会は21日、3日間の合同会議を終え、IOCのジョン・コーツ調整委員長(71)と、組織委の橋本聖子会長(56)らが会見した。本番前では最後の合同会議で、コーツ調整委員長は新型コロナウイルスに対する緊急事態宣言が出されている状況下でも五輪を開催する意向を示した。

 オリンピックの主催者による事実上の“開催宣言”だった。

 コーツ調整委員長は、緊急事態宣言下でも五輪は開催するか?との問いに、5月に行われた海外選手も参加してのテスト大会の成功を挙げ「緊急事態宣言の下で5競技のテスト大会が行われた。最悪の状況を想定して行われて成功している。答えはイエスだ」と、キッパリ。「世界保健機関(WHO)にアドバイスも受け、我々が示している対策を実行すれば、安全安心な開催はできると言われている。これは緊急事態宣言下であってもなくてもだ」と、宣言下であっても安全が担保されていると主張した。

 また、6割が中止、再延期も含めた8割超が今夏の開催に反対している日本の世論に対しても、問題にせず。「我々はできる限りのことをやっている。大会がすべての参加者、日本国民のために安全なものであると担保している。これは日本のワクチン接種状況と関連があるのかもしれない。ワクチン接種が増えていけば、世論調査の結果も良くなっていくのでは?」と楽観視した上で「もし改善しないとしても、我々は我々の仕事をするだけだ」とし、世論の理解を得られなくても開催する姿勢を示した。

 ただ、緊急事態宣言下となれば、都民、国民の生活の大きな制約が掛かっている状況での開催となるだけに、さらなる反発を呼ぶ可能性もある。

 コーツ氏の後、「宣言下でも開催するのか?」と問われた橋本聖子会長は一度「ご理解いただけるような徹底策を講じていくようにする」と真正面からは答えず。ただ、「開催できるということでいいのか?」と問われ、「できると確信しながら…」と濁した。

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