緊急事態宣言下でも五輪開催、IOC安全を強調 橋本会長は世論の理解へ“3徹宣言”
7月23日に開幕する東京五輪の準備状況を監督する国際オリンピック委員会(IOC)の調整委員会と大会組織委員会は21日、3日間の合同会議を終え、IOCのジョン・コーツ調整委員長(71)と、組織委の橋本聖子会長(56)らが会見した。本番前では最後の合同会議で、コーツ調整委員長は新型コロナウイルスに対する緊急事態宣言が出されている状況下でも五輪を開催する意向を示した。また、橋本会長は開催に否定的な世論の理解を得るため、“3つの徹底”を行うと宣言した。
オリンピック主催者の事実上の“開催宣言”だった。
コーツ調整委員長は、緊急事態宣言下でも五輪は開催するか?との問いに、5月に行われた海外選手も参加してのテスト大会の成功を挙げ「緊急事態宣言の下で5競技のテスト大会が行われた。最悪の状況を想定して行われて成功している。答えはイエスだ」とキッパリ。「WHO(世界保健機関)にアドバイスも受け、われわれが示している対策を実行すれば、安全安心な開催はできると言われている。これは緊急事態宣言下であってもなくてもだ」と、安全が担保されていることを強調した。
また、6割が中止、8割超が今夏の開催に反対している日本の世論に対しても「改善しないとしても、われわれはわれわれの仕事をするだけだ」とし、世論の理解を得られなくても開催する姿勢を示した。
橋本会長は数字も交えて、準備状況を説明。海外からの来日関係者は、延期前の18万人から7万8000人まで削減。開催時の医療体制は、1日最大で医師230人、看護師310人の想定を示し、スポーツドクターや現在現場に立っていない潜在看護師を活用し「8割見通しが立った」と説明した。その上で世論の理解を得るため、「来日人数削減の徹底、行動管理の徹底、医療体制見直しの徹底。3つの徹底、いわゆる“3徹”を行っていく」と宣言した。