平野歩夢が冬夏五輪へ 日本男子メダリスト初!スノボに続きスケボーで出場確実に

 「スケートボード・デュー・ツアー」(21日、デイモン)

 今大会が予選最終戦となるパークの男子予選でスノーボードの冬季五輪2大会連続銀メダリスト平野歩夢(22)=木下グループ=が26位で予選落ちしたが、五輪予選ランキングで日本勢最上位となって東京五輪出場を確実とした。2019年以降の成績が反映される予選ランキングで日本勢トップが確定し、開催国に1枠付与される出場権を引き寄せた。日本男子の五輪メダリストで夏冬両五輪に出場するのは初。女子ではスピードスケートで五輪「銅」の橋本聖子が自転車で出場した例がある。

 平野が前人未到の挑戦を結実させた。この日は高いエア(空中技)が鳴りを潜めるなど精彩を欠いて予選敗退となったが、五輪予選ランキングでの日本勢トップを堅守。「誰もやってないことをやってインパクトを与えたい」と意欲を燃やしてきた冬夏五輪出場を決定的にした。

 スノボで2大会連続の銀メダルを獲得した18年平昌五輪の翌19年から“二刀流”への本格挑戦が始まった。幼少期は並行し、近年もオフのトレーニングではスケボーを使っていたものの、本職スノボとは「乗っている物は似ているが全く別物」と過度な期待にくぎを刺した。世界トップレベルでの両立は簡単ではなく「どっちも中途半端になる可能性もある」とリスクも覚悟しつつ「何かを失ってでも何かを得ようという他の人にはない精神的な強さが生まれる」と“生きざま”を込めた。

 冬夏五輪出場は極めて難しく、日本で過去4人しかいない。男子では陸上とボブスレーで出場した青戸慎司が最初で最後。冬季メダリストの夏季出場も橋本聖子が唯一の例だ。

 コロナ禍による1年延期も経て、スノボでは4月の全日本選手権で2位に入り来年の北京冬季五輪へ大きく前進したばかりだが、二刀流の歩みは止めなかった。困難な挑戦の末たどり着いた境地をどう表現するのか。逆風が吹き荒れる東京五輪にあって、楽しみが一つ増えた。

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