不気味な米国の動き 渡航禁止に関係者火消し奔走 橋本聖子会長「影響ないようにしないと」
東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長(56)が25日、大会時の車両基地(デポ)となる築地を視察し、その後、報道陣の取材に応じた。
米国務省が新型コロナウイルスの感染状況を理由に、日本に対する渡航警戒レベルを4段階で最も厳しい「渡航中止・退避勧告」に引き上げたことを発表。同国の五輪・パラリンピック委員会は米国代表の五輪出場に影響はないとの声明を出したが、開幕まで残り2カ月を切った中、いまだ国内外で中止論が根強い大会への影響が懸念される。橋本会長は「私どもは安全安心な大会開催を最優先で徹底している。大会への影響はないものと思うし、ないようにしないといけない。ご理解いただける大会の準備をしていく」と、述べた。
米国のバイデン大統領は東京五輪について、いまだ「菅首相の開催への努力を支持する」という表現に止めており、開催支持までには至っていないだけに、米国の動きは不気味に映り、関係者は火消しに奔走。丸川五輪相は「今回の措置は予防的な措置。必要な場合の渡航までは禁止されていない。欧州でもイギリス以外はレベル4となっている。米国五輪委も『影響はない』としている。私どもも影響は見込まれない」、加藤官房長官も「五輪開催を実現する日本政府の決意を支持するという米国の立場は何ら変わらないと考えている」と、影響を否定した。