組織委理事からも五輪再延期論 IOCは強行姿勢崩さず「アルマゲドンが起きない限り」

 東京五輪・パラリンピック組織委員会は26日、都内で理事会を開催し、残り2カ月を切った大会に向けて準備状況などを報告した。この日、オフィシャルパートナーの朝日新聞が大会の中止を求める社説を掲載するなど、コロナ禍での大会開催へ国内外から中止論が強まる中、理事会では一部の理事から再延期への議論も出た。ただ、国際オリンピック委員会(IOC)側は最古参であるディック・パウンド委員(79)=カナダ=が海外紙に「アルマゲドン(人類滅亡)が起きない限り開催される」と発言するなど強行開催の姿勢を崩しておらず、大会を巡る状況は混迷を極めている。

 この状況を、果たして“誤解”でまとめていいものだろうか。国内外から巻き起こる五輪中止論。この日はオフィシャルパートナーの朝日新聞が社説で中止を求める異常事態に陥った。

 理事会内では都議も務める小山有彦理事から「再度延期も含めてあらゆることを想定すべきだ」という発言もあったが、幹部からその可能性はほぼないという説明がされた。武藤敏郎事務総長は理事会後の会見で「中止すべき、延期すべきという話はなかった。誤解を解くための発信が重要」とまとめた。

 ただ、海の向こうからは、火に油が注がれ続けている。「緊急事態宣言下でも開催」と話したIOCのコーツ調整委員長、「五輪共同体の誰もが犠牲を払わなければいけない」と発言したバッハ会長に続き、この日はIOC最古参委員のパウンド氏が英国紙の「イブニングスタンダード」に「アルマゲドンが起きない限り、大会は進む」と強行開催を明言。IOC側から国民感情を逆なでする発言が相次いでおり、大会と世論との分断が進んでいる。

 橋本聖子会長は「安全安心な開催への準備は着実に進んでいるが、不安を感じられている人が少なからずいる。医療の懸念も抱かれる方もいる。都民、国民に、どのように開催するか実感していただくには一層の努力が必要」と話したが、道のりは遠い。

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