大坂なおみ やっぱり記者会見拒否 揺れる“コート外”尻目に“ストレー倒”発進
「テニス・全仏オープン」(30日、パリ)
四大大会第2戦が開幕し、女子シングルス1回戦で初優勝を狙う世界ランク2位の第2シード、大坂なおみ(23)=日清食品=が同63位のパトリチアマリア・ツィグ(ルーマニア)を6-4、7-6で下した。大坂は勝利後、センターコート上でのインタビューやテレビ局の取材は受けたが、一方で複数社が申し込んでいた会見には臨まなかった。大会は6月8日まで約5千人、9日から閉幕日の13日まで最大約1万3千人の観客を入れる。優勝賞金は140万ユーロ(約1億8760万円)。
今大会の会見拒否を表明し、注目を集めたセンターコートでの初戦。大坂が苦手の赤土で初優勝への一歩を踏み出した。コート上やテレビのインタビューには応じ「進歩していると思う。もっと良くなると思う。一日一日進んでいくつもり」と笑みもこぼれた。もっとも、複数社が申し込んでいた会見には臨まなかった。
四大大会で4勝を挙げているものの、3回戦が最高の全仏。第1セット、第2ゲームから7度のジュースにもつれる熱戦になった。球足の遅い赤土に持ち前のスピードが封じられた。5-2で迎えた第8ゲームはセットポイントを握りながら、ブレークに失敗。第9ゲームをブレークされたが、すぐにブレークバックして第1セットをものにした。
第2セットは互いにキープが続く我慢の展開。タイブレークに突入したものの、武器のサーブで押し切った。試合を通じて競り合った場面では「カモン」と叫んで自らを鼓舞。太ももをたたいて活を入れた。
開幕前の27日、自身のツイッターを通じて全仏で記者会見に応じない意向を表明。「これまで記者会見に参加したり見たりし、アスリートの心の状態が無視されていると感じていた。自分を疑うような人の前には出たくない」と訴えた。
四大大会では、選手はけがなどを除いて試合後の記者会見には出席しなければならない。違反すると最大2万ドル(約218万円)の罰金の対象になる。「高額な罰金が心の健康維持の慈善活動に寄付されることを願う」と付け加えていたが…
2年ぶりに進出した2回戦。コート外の波紋が広がる中、頂点への戦いが始まった。