サニブラウン・ハキーム 久々実戦「感覚戻せた」五輪切符争いへは「しっかり集中」
陸上男子のサニブラウン・ハキーム(タンブルウィードTC)は5月31日、米フロリダ州ジャクソンビルで行われた競技会の100メートルに出場し、追い風3・6メートルの予選1組で10秒25の4着だった。2019年10月終了の世界選手権以来のレース出場だった。フロリダ大在学中の同年11月にプロ転向し、その後も米国で強化。100メートル、200メートルとも東京五輪の参加標準記録を突破済みで、6月24日開幕の日本選手権(大阪市)で3位に入れば五輪代表に決まる。
日本記録保持者の久々のレース。注目の中で走ったサニブラウンのタイムは追い風参考の10秒25と平凡だった。約2週間前の大会は左太もも裏の疲労感で欠場。本人は「本当に気持ちよかったし、感覚を取り戻せた。タイムは全然気にしていない。コンディションは悪くなかった」と笑顔で収穫を強調した。
課題のスタートで上体が起きてしまわないよう「しっかり意識し今回はできた」。世界歴代2位の記録を持つブレーク(ジャマイカ)ら実力者に食らいついたが、「60メートルから後半は間延びしちゃった」と伸びを欠いた。
新型コロナウイルスによる東京五輪の延期が決まった昨春以降、フロリダ大進学前に指導を仰いだレイダー・コーチに再び師事し、土台を一から見直したという。「体づくり、動きづくりから始めて、本当に長かったかな」。体の厚みは2019年に比べ明らかに増した。
6月24日から、東京五輪代表切符を争う日本選手権に臨む。17、19年大会は短距離2冠に輝いた。「しっかり集中していければ」と初の五輪出場へ心身を研ぎ澄ませる。