日本オリンピック委員会（ＪＯＣ）の山下泰裕会長は３日、都内で定例会見を行った。

　この日で開幕まであと５０日。コロナ禍での開催について、否定的な世論がいまだ根強い中、「残念ながら五輪開催について否定的な意見が多いのは現実。スポーツを不要不急と考え、多くの人が自粛、制限をされる中で、五輪だけが特別扱いで開催されるという疑問の声があるのも事実。東京を含め９都道府県で緊急事態宣言が発出されており、五輪開催が感染状況を悪化させ、医療体制をひっ迫させるという不安が上がるのは理解できる。より具体的な取り組みを示し、東京の防疫策について説明が必要になる」と受け止めた上で、選手達に対しては「コロナで世の中が苦しむ中で練習を続けていくこと、目指すことに後ろめたい気持ちを感じる選手が少なからずいる。ただ、選手には後ろめたく思うことはないと強く伝えたい。ＪＯＣとしては選手がひたむきに努力してきたことを五輪で披露することが将来の日本社会に必ずプラスの影響をもたらすと信じている」と、呼びかけた。

　日本選手団には国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）から無償提供された米ファイザー社製のワクチンの接種が進んでいる。山下会長もこの日、１回目の接種を行ったことを明かした。