体操・18歳北園丈琉が猛追!4月右ひじ剥離骨折から奇跡の五輪へ「代表は僕しかいない」

 北園丈琉のゆかの演技(撮影・堀内翔)
 北園丈琉のあん馬の演技(撮影・堀内翔)
 北園丈琉のあん馬の演技(撮影・堀内翔)
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 「体操・全日本種目別選手権」(5日、高崎アリーナ)

 東京五輪最終選考会を兼ねて開幕し、各種目の予選が行われた。貢献度で決定する五輪団体戦の残り2枠を争いは、日本協会によるとNHK杯までの得点で大きなリードを奪っていた谷川航(セントラルスポーツ)がほぼ確実とし、残り1枠も杉野正尭、北園丈琉(ともに徳洲会)に絞られた。

 これが次代を担う18歳の底力か。4月の全日本選手権決勝の鉄棒で落下した際に、右ひじを剥離骨折、両ひじじん帯損傷の大けがを負った北園が、驚異的な追い上げで、逆転五輪を視界にとらえた。「ミスなくやりきれた。練習の成果を出せた。全種目いい内容だった」。この日は平行棒で全体3位の15・033点、あん馬でも全体3位の14・833点、跳馬でも15・000点の高得点をマーク。鉄棒では「むっちゃ怖かった」と振り返った全日本で負傷の要因となった離れ技トカチェフも成功させ、全体2位の14・866点。大幅に得点を伸ばした。最終日を前に、杉野との最後の1枠争いにもちこんだ。

 全日本で負傷した際、医務室での涙とともに五輪の夢が霞んだ。「なにも考えられなかった。こんなことあるんや、現実なんやって」。それでも憧れの内村航平からの励ましの電話など、周囲に支えられて奮起。けがの影響が残る中で挑んだ5月NHK杯で9位に踏みとどまり、この最終選考会に望みをつないだ。そして、再びその無限のポテンシャルを発揮している。

 泣いても笑ってもあと1日。「代表は僕しかいない、という意地のある演技をみせられたら」。すべてをぶつけ、奇跡を手繰り寄せる。

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