角田夏実が初世界女王 ともえ投げ&腕十字固め個性派が悲願「階級落として良かった」
「柔道・世界選手権」(6日、ブダペスト)
女子48キロ級は、17年世界選手権52キロ級銀メダルの角田夏実(28)=了徳寺大職=が初制覇した。準決勝で世界ランク1位のクラスニキ(コソボ)を撃破すると、決勝は古賀若菜(19)=山梨学院大=との日本勢対決を合わせ技一本で勝利。5試合オール一本勝ちと会心の内容で世界王者に駆け上がった。
ともえ投げと腕ひしぎ十字固めという“2大兵器”を絶対的な決め技とする個性派が、悲願のビッグタイトルをつかんだ。角田は初戦から3試合連続で腕ひしぎ十字固めで一本勝ちすると、準決勝は東京五輪金メダル候補の一角でもあるクラスニキ(コソボ)と激突。階級屈指のパワーを誇る相手に組み負けることなく試合を展開し、ともえ投げで2度技ありを奪取。合わせ一本で難敵を退け、決勝も日本代表の若手ホープを捨て身技で下した。
52キロ級時代、17年世界選手権に初出場した際は決勝で志々目愛(了徳寺大職)に敗れて準優勝。「2位でもうれしい思いがあったが、時間がたつにつれて1位と2位は差があるなと実感していたので、今回は負けないという強い気持ちで戦った。(当時より)冷静に相手を見て状況判断できるようになった」。
志々目や東京五輪代表の阿部詩(日体大)との代表争いを演じた後、19年からは最軽量級に転向。減量という新たな課題とも向き合っているが、4月の全日本選抜体重別選手権で日本一に輝いたことに続き、一気に世界のタイトルも獲得。「減量がきつくてくじけそうになったこともあったが、階級を落として良かったなと思いました」と実感を込めた。
24年パリ五輪挑戦を明言しているわけではないものの、1年でも長く柔道を続けることが目標。いち早く好スタートを切った28歳は「今回優勝したが、常に挑戦者の気持ちを忘れずに来年、再来年に向けて頑張りたい」と力を込めた。