元朝潮・錦島親方退職へ 外食バレた“師弟”で違反 朝乃山は最大6場所出場停止
大相撲の先代高砂親方で元大関朝潮の錦島親方(65)が新型コロナウイルス対策ガイドライン違反で退職することが10日、明らかになった。原則外出禁止期間に外食をした疑いで日本相撲協会が調査。11日の臨時理事会で処分が決まり、退職届が受理される見通し。また、“弟子”の大関朝乃山(27)=高砂=は夏場所直前、キャバクラ通いで最大1年、6場所出場停止の厳罰となる可能性が出てきた。協会に引退届を提出したことも判明した。
“師弟”ともども名門「高砂」の看板を汚した。キャバクラ通いの朝乃山ばかりか、先代師匠の錦島親方まで規則破りの外食をした疑い。協会のコンプライアンス委員会(青沼隆之委員長=元名古屋高検検事)の調査を受け、すでに退職届を提出した。11日に理事会の処分を受け、受理される見通しだ。
現役時代から“大ちゃん”の愛称で親しまれ、部屋伝統の「朝汐(朝潮)太郎」を襲名し、大関まで駆け上がった。1989年春場所で引退後、7代高砂として協会理事を4期8年務めた。軽妙なトークで人気も高く、多くの関取を育成。昨年12月、65歳定年を迎え元朝赤龍と名跡交換し部屋を譲り、再雇用制度を利用し協会に残った。
師匠として、暴力事件で引退した元横綱朝青龍には何度も泣かされた。今度は朝乃山と“不肖の弟子”続きに同情もあったが、最後は自らの不祥事で協会を去ることになった。
“弟子”の朝乃山も引退届をすでに提出していることが分かった。進退は協会の判断に委ねる。処分は引退勧告まではいかない見込みながら厳罰は避けられない。関係者の話を総合すれば最大1年、6場所出場停止まで検討されそうだ。
処分は地位が上であるほど、重くなる。大関という協会の看板を背負いながら裏切り。万が一、コロナに感染すれば本場所を中止に追い込む危険もあった。しかも当初は協会の聞き取りに虚偽報告していた。
協会側から「うそだったら、後で大変なことになる」と何度念押しされても主張を変えず。最後は“完落ち”したが、疑惑の渦中にあった夏場所11日目も出場を続けた。
昨年7月場所中、場所前、規則違反をした阿炎(当時幕内)は3場所出場停止。同じく虚偽報告しており、悪質と断じられた。朝乃山に対しては「阿炎以上」との声があり、4場所出場停止以上の可能性は高い。4場所停止なら幕下降下、6場所停止なら三段目まで降下となる。
朝乃山は夏場所を謹慎休場。今は自身の愚かさを猛省しているものの、情状酌量の余地はない。