クレイチコバが四大大会初V&単複2冠 天国の恩師思い涙「見守ってくれていたと思う」
「テニス・全仏オープン」(13日、パリ)
女子シングルス決勝で、世界ランキング33位でノーシードのバルボラ・クレイチコバ(25)=チェコ=が、第31シードのアナスタシア・パブリュチェンコワ(ロシア)を6-1、2-6、6-4で破り、四大大会初優勝を果たした。優勝賞金は140万ユーロ(約1億8600万円)。チェコ勢の優勝は1981年大会のハナ・マンドリコワ(当時チェコスロバキア)以来。最終日13日の女子ダブルス決勝ではカテリナ・シニアコバ(チェコ)のペアで3年ぶり2度目の頂点に立ち、2000年のマリー・ピエルス(フランス)以来の単複2冠を達成した。
四大大会初制覇を決めたクレイチコバは、パリの空を見上げ投げキスをした。「彼女を失ってから本当につらかった。どこかから見守ってくれていたと思う」。98年ウィンブルドン選手権覇者で4年前に死去した恩師、ヤナ・ノボトナさん(チェコ)への思いが込み上げ、目が潤んだ。
18歳の時、進路に迷い助言を求めてノボトナさんの自宅を訪ねると「プロでプレーしなさい」と、背中を押してくれた。パブリュチェンコワの強打をしのいだスライスショットは、師の直伝。「多くを教えてくれた特別な存在」を近くに感じながら優勝杯を抱いた。
最終日の女子ダブルスも制して単複2冠を獲得。テニス大国チェコから新女王が生まれた。