サーフィン・女子代表をレジェンドが分析 前田「メンタル強い」都筑「足腰強い」
東京五輪の新種目、サーフィンの日本代表が出そろった。五輪最終予選を兼ねた21年ワールドゲームズ(WG=世界選手権に相当、6日閉幕、エルサルバドル)での結果で最終決定した。男子は五十嵐カノア(木下グループ)と大原洋人、女子は前田マヒナと都筑有夢路が代表入り。競技初の五輪メダルの行方を、サーフィン界のレジェンド・脇田貴之氏が分析した。
女子はハワイ出身の前田マヒナが日本勢トップの8位で五輪切符を手中にした。ハワイ代表時の13、14年に世界ジュニア選手権16歳以下の部を連覇した実力者を、脇田氏は「他の子よりもビッグウエーブやハワイのすごい波でやってきた経験値がある。メンタルもすごく強い」と評価する。
パワーサーフィンが武器の前田は、WGで日本勢でただ一人本戦を4度も勝ち進み、脇田氏も「本当に男顔負けのサーフィンをする」と一目置く存在だ。五輪会場の千葉県一宮町の釣ケ崎海岸は、昨年11月に前田が優勝したジャパンオープンと同じ場所。「イメージもいいと思いますし、五輪でマヒナが勝つ可能性も全然ある」とうなずいた。
もう1人の五輪代表、都筑有夢路は急成長を遂げる20歳だ。世界最高峰チャンピオンシップツアー(CT)に今年初参戦すると、WG直前の大会では自己最高の5位をマークした。脇田氏は「足腰が強くて、しっかり太いサーフィンができる」と評価。五輪本番の活躍も「波のサイズがあった方が本領を発揮できると思うけど、湘南の鵠沼海岸出身で、千葉でもがんがんサーフィンをやっている。波も知っているし、小さな波も大丈夫だと思う」と太鼓判を押した。
都筑には「必ず攻めてくれる」と精神面での期待も高い。WGでは早々に敗者復活戦に回ったが、そこから脅威の粘りで6度勝ち進んで五輪切符を勝ち取った。終盤で逆転する試合もあり、「最後で逆転できるのはメンタルが強くないと無理」と分析した。
前田と都筑。ともに精神力の高い2人が女子代表に決まった。脇田氏は「全てのスポーツにおいてそうだと思うんですけど、トップの中のトップの戦いは、全てはメンタル。メンタルが強いとパフォーマンスもどんどん上がりますし、そこがこの2人は強い」と、活躍を心待ちにしていた。