体操・白井健三が現役引退「選手としての未練は1つもない」リオ五輪団体金、指導者へ

現役引退会見で笑顔で心境を語る白井健三=神奈川・日体大 横浜・健志台キャンパス(撮影・開出牧)
大勢の報道陣を集め現役引退会見を行う白井健三(後方中央)=神奈川・日体大 横浜・健志台キャンパス(撮影・開出牧)
現役引退会見を行う白井健三(中央)。右は日体大体操競技部・具志堅幸司部長、左は日体大体操競技部・畠田好章副部長=神奈川・日体大 横浜・健志台キャンパス(撮影・開出牧)
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 体操男子の16年リオデジャネイロ五輪団体金メダルメンバーで、種目別ゆかで3度世界王者に輝いた白井健三(24)=日体大教員=が16日、横浜市の日体大健志台キャンパスで記者会見を行い、現役引退を表明した上で「選手としての未練は1つもない状態で今日を迎えられた」などの思いを語った。リオ五輪で日本男子史上最年少金メダルを獲得した“ひねり王子”が、団体メンバー5人の中で最も早く競技を退く決断を下した。

 リオ五輪以降、17年世界選手権では床と跳馬で金メダルを獲得。個人総合で銅メダルに輝くなど東京五輪のエースとしての期待が懸かったが、近年は度重なる故障や採点基準への適応に苦しみ、今年4月からの東京五輪代表選考会でも苦戦。今月の全日本種目別ではゆかで2位となり復調をみせたが、2大会連続五輪代表入りを逃していた。

 スーツ姿で会見に臨んだ白井は「私、白井健三は、先日の全日本種目別選手権をもって、現役を引退させていただきましたことをここに発表させていただきます。本当にすっきりした状態で現役生活を終えることができました。自分のやりたいことに向かって歩み始めている。選手としての未練は1つもない状態で今日を迎えられた」と晴れ晴れとした表情で引退を報告した。

 現在は日体大の助教。今後については「大学に貢献したいし、後輩に自分がしてきたことを伝えていきたい。指導者としての歩みを進めていく」と、明かした。

 若さと勢いで世界を席巻した過去の自分と今の自分。そのギャップに苦しんできた。種目別終了後は「『五輪』という文字が自分を邪魔していたし、昔の自分が邪魔だった。昔の自分だったら、強くなった今の日本でも通用したかなとか。何度も思いました」とこれまでの苦悩を告白。ただ「世界選手権金メダリストとか、それにすがっていても何も解決しない。過去の自分はもういない。レベルが上がっている今の日本を、素直に受け止めて、何をすればいいか考え出して、すごく楽になった。今回は自分の演技ができた。幸せです。すごく清々しい」と吹っ切れた様子で話し、今後については「何も考えていない」としていた。

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