五輪観客1万人、尾身提言は黙殺 橋本会長は開催意義強調「提言に中止は書かれていない」
東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長(56)、東京都の小池百合子知事(68)、丸川珠代五輪相(50)、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長(67)、国際パラリンピック委員会(IPC)のアンドリュー・パーソンズ会長(44)による5者協議が21日、行われ、五輪の国内観客上限について政府の国内大規模イベントの制限に準じ、会場定員の50パーセント以内で最大1万人とすることを決めた。
18日に発表された政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長ら専門家有志による大会開催のリスクに関する提言では「無観客が最も感染リスクが少なく望ましい」などとされたが、事実上黙殺されることになった。提言にあった「観客は開催地に限る」といった提言にも武藤事務総長は「現実的に東京会場の観戦にこられる方の7割は1都3県の方々。遠方からくる方はそんなに多くない。提言には色んな形で応える努力をする」と説明した。
橋本会長は開催の意義について「状況が変わったからには(五輪を)やる必要はないという声も受け止めているが、中止ということは尾身会長の提言にも書いていなかった。8年前の招致からやってきた集大成として、約束を果たしていきたい」と、強調した。
冒頭あいさつで、バッハ会長は「大会前、最後の5者協議。大会まであと32日だが、大会は今、実行フェーズに入っている。アスリートも到着してきている。夢を叶える準備ができている。日本の勤勉な仕事に感謝している。ヒア・ウィー・ゴーだ」と、大会成功への確信を口にした。