【伊藤鐘史が斬る】W杯を見据えディフェンス力向上と選手層の厚さを

 「ラグビー・テストマッチ、アイルランド39-31日本」(3日、ダブリン)

 日本はアイルランドに31-39で敗れ、欧州6カ国対抗参加チームの本拠地での初勝利はならなかった。2019年W杯1次リーグで19-12で勝って以来の顔合わせとなり、対戦成績は日本の1勝10敗となった。世界4位のアイルランドは主力の一部が全英・アイルランド代表ライオンズに選ばれたため招集外だが、W杯の日本戦出場メンバー8人が先発した。日本は6月26日にライオンズと初対戦して10-28で敗れており、今遠征のテストマッチは2戦2敗となった。

 ◇  ◇

 試合の入りから日本らしい速いテンポが出ていて、すごく攻撃的でした。ペナルティーを得た時の使い方も前回の試合はどっちつかずでしたが、どんどんタッチに蹴り出して、ラインアウトからモールでトライも取りました。相手の裏側へのキックも効果的で、十分勝機はありました。

 ただ、後半に入って相手の運動量が全然落ちなかったですね。日本はミスやペナルティーを犯し、前半ほど攻撃が継続する展開が見られませんでした。運動量の差が出たかな、と。トライもシンプルに取られました。

 3試合を通じて、タタフ選手、フィフィタ選手、斎藤選手たちがアタックの局面で勢いを与えてくれると理解できました。ただ、チームがより良くなるために彼らのディフェンス時の貢献をトレーニングで磨いていって欲しい、と思います。テストマッチで勝つにはそれなりのディフェンス能力も必要です。

 今後に向けてもう一つ課題を挙げるなら、田村選手が調子が良くてけん引しているのは分かるのですが、W杯の課題だったように層の厚さという点でSOの経験値が高い選手が少ないと感じます。あくまでW杯を最終的なゴールと考えると、今経験させることです。選手層を厚くすることはプレータイムを含めて取り組んでいくべき課題です。(2015年W杯日本代表ロック、ホンダFWコーチ)

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