リレー侍秘密兵器デーデー・ブルーノ リオ五輪の年に陸上を始めた「不思議な感じ」
東京五輪に出場する陸上男子短距離チームが9日、山梨県富士吉田市内での合宿を公開した。6月の日本選手権男子100、200メートルとも2位に入り、リレー要員として代表入りを果たした新星デーデー・ブルーノ(21)=東海大=は「自分の憧れや、速い選手とできるのは刺激になる」と、初々しく話した。
同じくリレー要員として選出され、不動の3走を務めてきた桐生祥秀が右アキレス腱痛、200M代表入りを果たした前100M日本記録保持者のサニブラウン・ハキームが左太もも違和感を抱えるなど、本番の状況が見通せない中で、現在もっとも勢いのある21歳に懸かる期待は大きい。
ナイジェリア人の父と日本人の母を持ち、長野・創造学園高2年でサッカーから陸上に転向した新鋭。日本が銀メダルを獲得した5年前のリオデジャネイロ五輪は、なんと陸上を始めた年だった。テレビで見て「わからないことたくさんあったけど、世界で結果残した輝かしい功績。ケンブリッジ選手も走っていて、同じハーフの自分もできるんじゃないかと。ああいう選手になれるようと思った」と、振り返り、リオのリレー侍たちと同じ代表という立場に「不思議な感じは結構あります」と、笑った。
東海大ではアンダーハンドパスも使用してきた。「代表に入ることを見越してやってきた。後半の加速の維持は持ち味。リレーで貢献できると思う」。陸上転向からわずか6年の“伸びしろ”しかない男が、金メダルを目標に掲げるリレー侍の秘密兵器となる。