照ノ富士が全勝ターン!綱とり成功率76・8% 白鵬とV争い「これからです」

 「大相撲名古屋場所・8日目」(11日、ドルフィンズアリーナ)

 綱とりに挑む大関照ノ富士が、くせ者・翔猿を冷静にはたき込み、無傷8連勝に伸ばした。2場所連続3度目のストレート給金。平成以降、大関の中日勝ち越しは先場所までに56回あり準優勝以上は43回。優勝に準ずる成績が昇進ラインとされ、綱とり成功確率は76・8%と高い。進退を懸ける横綱白鵬は初顔の琴恵光を一蹴し、史上最多51回目の全勝ターン。1敗が消え、V争いはマッチレースで後半戦に突入する。

 照ノ富士がうるさいモンキーを難なく退治した。引っ張り込んでもスルリと逃げる翔猿にも慌てない。どっしり構え、押してはたいて豪快に一回転させた。

 前日の白鵬戦でトリッキーな動きを見せた策士を警戒。「正面に置いて相撲を取ろうと思った。動きのいい相手なのでしっかり見ていこうと思った。できることをやろうと思っただけなので」と、隙を与えなかった。

 2場所連続V4の先場所に続き全勝ターン。古傷の両膝も十分にもっている。素早い小兵相手にもしっかりと膝を曲げて対応。解説の荒磯親方(元横綱稀勢の里)は「下から下からという意識。かなりの安定感」とうなった。兄弟子の安治川親方(元関脇安美錦)は「四股、すり足、地道な稽古をやってましたから」と目を細めた。

 膝に爆弾を抱え何度もチャンスはない。「人より3倍ぐらいやるっていう気持ち」と、筋トレ、基礎運動で限界まで追い込んだ。序二段まで落ち、どん底からはい上がり、大関を奪還。不屈の男が悲願の横綱奪取へ、この場所に懸けてきた。

 関脇、大関、大関の3場所連続Vで横綱昇進を決めたのは1937年夏場所の双葉山だけ。再大関のため単純比較はできないが、84年ぶり角聖に並ぶ偉業ロードを突き進む。

 データも後押しする。平成以降、ストレート給金の大関による準優勝以上は76・8%。まだ中日にして、高い綱とり成功率だ。

 後続に2差が付き、白鵬とがっぷり四つのV争い。「これからです。残り1週間、頑張ります」と勝負の後半戦、ギアも上がる。

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