照ノ富士 横綱当確!伊勢ケ浜部長「十分満たしている」あとはV5で花添えるのみ
「大相撲名古屋場所・13日目」(16日、ドルフィンズアリーナ)
綱とりの大関照ノ富士が横綱昇進を当確させた。大関対決で正代を押し出し、自己新を更新する初日から13連勝。打ち出し後、昇進を預かる審判部の伊勢ケ浜審判部長(元横綱旭富士)が「成績的には十分満たしている」と昇進条件をクリアしたとの見解を示した。進退場所の横綱白鵬は関脇高安をとったりで一蹴し全勝キープ。両雄譲らず、千秋楽、全勝決戦が現実味を帯びてきた。
どっしりとした“横綱級”の安定感で照ノ富士が13もの白星を積み上げた。正代にすくわれ、俵に詰まったが耐えた。攻めを受け切って反撃し最後は左手を伸ばして一押し。執念で全勝を死守した。
爆弾を抱える両膝で前傾姿勢は崩れず。危ない場面にも「焦ることなくやろうと思って良かった」と余裕の口ぶりで振り返った。
まだ2日を残し、横綱昇進を当確させた。師匠で昇進を預かる審判部の伊勢ケ浜部長は「準ずる成績を残せば自然とそういう声も出てくる。(優勝)次点は決まっている。優勝するに越したことはないが成績的に十分満たしている」と昇進相当との認識を示した。
後続とは3差付いており、2連敗してV逸でも優勝次点。照ノ富士の今場所、昇進ラインは「優勝に準ずる成績」とされていた。
仮に白鵬が全勝優勝し、2差での次点なら“物言い”が付く可能性がゼロではないものの、春、夏場所と連覇しており安定感は比類ない。稀勢の里は17年初場所、14勝1敗で初優勝し横綱に昇進したが、2場所前は12勝3敗にとどまり、優勝した横綱鶴竜と2差が付いた次点だった。
同部長は「今場所は相手を見ながらできている。こうやって相撲を取っても勝てるというのを確立した」と、成長に目を細めた。
あとは3場所連続V5で昇進に花を添えるのみ。照ノ富士は「あと2日あるので頑張る。場所を無事に終わらせることを考えている」と息詰まる一騎打ちにも冷静沈着。白鵬との楽日全勝決戦へまずは14日目、天敵の高安を突破する。