競泳 山田美幸が銀 史上最年少14歳!日本勢メダル1号「私もカッパになりました」
「東京パラリンピック・競泳」(25日、東京アクアティクスセンター)
女子100メートル背泳ぎ(運動機能障害S2)決勝で14歳の山田美幸(WS新潟)が2分26秒18で2位となり、今大会の日本選手団第1号メダルに輝いた。日本パラリンピック委員会(JPC)によると、14歳でのメダル獲得は、1984年大会の陸上男子で銅メダルの嶋津良範の16歳を塗り替え、日本勢の最年少記録となった。
14歳の山田が、日本歴代最年少メダリストを更新する快挙とともに今大会日本勢のメダル第1号となった。「予選の結果が全体3位で、銀を取れるなんて思ってもいなくてすごくうれしい。自分の中で100点満点」。興奮が収まりきらない様子だった。
予選では体が震えるほど緊張していたというが、決勝では「開き直って、緊張しても楽しもう、という気でいったら楽しめて、自分の泳ぎができた」と強心臓ぶりを発揮。スタートから先頭を泳ぎ、2番手でターンすると、後半もスピードを維持してそのままフィニッシュした。
生まれつき両腕がなく、両足も左右の長さが違う。小学4年時に16年リオデジャネイロ大会を見てパラリンピックを目指し始めた。5年で夢をかなえ「コーチからも『いけないよ』みたいな事を最初に言われていたので、ここまでこられるなんて思っていなかった」。初の大舞台は「とても楽しかった」と満面の笑みで振り返った。
たくさんの支えがあって、ここまでたどり着いた。「私だけの力だけじゃなくて、応援してくださる皆さまの力もあってこそだと思っている」。2年前に病で他界した父・一偉さんもその一人だ。「“頑張りました”って言いたい。パパは小さい頃に『(俺は)カッパだったよ』と言っていた。“私もカッパになりました”って伝えたい」と、声を震わせながら思いを吐露した。
次戦は9月2日。主戦場とする50メートル背泳ぎ(運動機能障害S2)で二つ目のメダル獲得を目指す。「金を取れるように頑張りたい」。14歳の少女が、日本中に希望を与える。