「東京パラリンピック・陸上男子４００メートル（車いすＴ５２）」（２７日、国立競技場）

　リオ大会で銀メダルを獲得した佐藤友祈（ともき、３１）＝モリサワ＝が５５秒３９で金メダルを獲得した。

　大逆転でパラ陸上界の金メダル１号となった。「いやもう…本当に言葉が出ない」。リオ大会で敗れた米国のマーティンをゴール直前で抜きさり、獲得した金メダル。レース後は「『東京で借りを返す』と５年間本当に前だけを見てひたすら突き進んできました」と感慨深げだった。

　２０１０年、脊髄炎が原因で車いす生活になり、１２年ロンドンパラリンピックをテレビ観戦したことをきっかけに陸上を始めた。１６年のリオパラリンピックでは４００メートルと１５００メートルで銀メダルを獲得。現在は４種目で世界記録を持つ第一人者に成長した。

　今年はプロ転向も果たし、タレントの香取慎吾にチーム名「ｐｒｉｅｒＯＮＥ（プリエワン）」を命名してもらった。その香取からは表彰式で金メダルを渡され、「しびれた。かっこよかった」と声をかけられた。「来てくれてること自体が驚きでうれしいです」。思わぬサプライズに笑顔だった。

　今大会は１５００メートルとの２冠を目指す。２枚目の金メダルへ、勢いのままに突き進む。