パラ陸上・唐沢剣也が堂々の銀 陸上始めるきっかけ「和田さんに勝ててうれしい」
「東京パラリンピック・陸上男子5000メートル(視覚障害T11)」(27日、国立競技場)
男子5000メートル(視覚障害T11)では唐沢剣也(27)=群馬県社会福祉事業団=が15分18秒12で銀メダル、和田伸也(44)=長瀬産業=が15分21秒03で銅メダルを獲得した。
唐沢が初のメダルを手にした。「金メダルを目標にやっていたので悔しい」としつつも、「今出せる力を全て出し切っての2位なのでうれしい」と笑顔も見せた。
「いけるぞ!トップ、いけるぞ!」。レース終盤、唐沢の耳に響いたのは伴走者の茂木洋晃さんの声だった。残り1周で先頭に立ち、最終コーナーでブラジル選手に抜き返されたが、堂々の2位だった。
先天性の網膜剥離により、生まれながらに弱視。小学4年時に病気の進行で視力を失い、中学卒業時には光覚を失い、全盲になった。陸上を本格的に始めたきっかけは、今大会で銅メダルを獲得した和田の存在。「和田さんは目標としている選手で、ライバル。今日は勝てて、銀メダルを獲れてとてもうれしい」と改めて喜んだ。