“侍”佐藤友祈がパラ陸上金1号!大逆転で大会新 香取慎吾からメダル授与「うれしい」
「東京パラリンピック・陸上男子400メートル(車いすT52)」(27日、国立競技場)
男子400メートル(車いすT52)決勝で佐藤友祈(31)=モリサワ=が55秒39の大会新記録で金メダルを獲得した。上与那原寛和(50)=SMBC日興証券=は59秒95で銅メダル。
大逆転でパラ陸上界の金メダル1号となった。佐藤は最後の直線でリオ大会金メダルのマーティンに次ぐ2番手につけると、ゴール直前に先頭を奪取。自身の世界記録に0秒26に迫るパラリンピックレコードで金メダルを獲得した。「いやもう…本当に言葉が出ない」。レース後は勝利の余韻に浸った。
リオ大会の雪辱を果たした。「リオでマーティン選手に敗れて(銀メダルを獲得して)から、『東京で借りを返す』と5年間本当に前だけを見て、ひたすら突き進んできました」。そのマーティンをギリギリのところでかわしての金メダル。「ゴール直前までもつれたからこそのパラリンピックレコード」と、ライバルに感謝した。
10年、脊髄炎が原因で車いす生活になり、12年ロンドンパラリンピックをテレビ観戦したことをきっかけに陸上を始めた。現在は4種目で世界記録を持つ第一人者に成長。21年はプロ転向も果たし、元SMAPメンバーの香取慎吾にチーム名「prierONE(プリエワン)」を命名してもらった。香取からは表彰式で金メダルを渡され、「『しびれた。かっこよかった』と声をかけてくれた。来てくれていること自体が驚きでうれしいです」と笑顔で喜んだ。
パラリンピックに向けて、髪形は頭の後ろで結ぶ“侍ヘア”にし、色は好きな青に染めた。「日本開催ということで、新しいチャレンジ。こんなところで何やってんだって話ですけど」。そう笑いつつ、「気合も入ります」と真剣なまなざしも見せた。目指すのは1500メートルとの2冠。もう1枚の金メダル獲得へ、“侍”の勢いは止まらない。