19年世界女王中西麻耶“黄金ドレッドヘア”で挑むも6位 パラ陸上女子走り幅跳び
「東京パラリンピック・女子走り幅跳び(義足・機能障害T64)」(28日、国立競技場)
19年世界女王の中西麻耶(36)=阪急交通社=が、5メートル27で6位入賞を果たした。高桑早生(29)=NTT東日本=も8位入賞となった。
初のメダル獲得には届かなかった。中西は攻めたジャンプに何度も挑み、5本目で5メートル27を記録。最終6本目も大跳躍を狙ったが、ファウルで試合を終えた。世界新記録も出るほどハイレベルな戦いに、「今まで戦ってきたパラリンピックの中で一番苦しい戦いになった」。金色の髪を悔しそうに揺らした。
中西は高校時代にソフトテニスでインターハイに出場した経験を持つ。2006年に勤務先の事故で右膝から下を切断し、07年に、陸上を始めた。競技開始直後から100メートル、200メートルで当時の日本記録を更新するなど実力を示し、08年には北京パラリンピックに初出場。東京大会まで4大会連続でパラリンピックに挑んでいた。
走り幅跳びではリオ大会で4位入賞。20年9月に自身の日本記録を更新する5メートル70を出していた。自国開催の夢舞台へ、「金は意識していこう」と髪型は“黄金ドレッドヘア”で気合を入れた。最も輝く色には届かなかった。それでも、きらきらと輝く跳躍は人々の心に刻まれたはずだ。