「負けるより悔しいと思う」パラ選手村で接触事故の柔道北薗、30日に退村へ

北薗新光=2017年撮影
男子81キロ級で北薗新光が欠場し、1回戦の対戦相手(右)に不戦勝を宣告する主審=日本武道館
男子81キロ級で北薗新光が欠場し、1回戦の対戦相手(右)に不戦勝を宣告する主審=日本武道館
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 東京パラリンピックの選手村を巡回する自動運転バスとの接触事故に遭った柔道男子81キロ級の北薗新光(30)が30日の正午までに選手村を退去する方針であることが28日、明らかになった。日本男子の遠藤義安監督が明かした。北薗は現在選手村の部屋で安静にしており、柔道競技は29日が最終日で予定通り代表チームと行動を共にする。

 北薗は視野狭窄(きょうさく)の障害を持っており、26日午後2時頃、選手村内の横断歩道を渡ろうとしていたところ、交差点を右折中の自動運転バスと接触したとみられる。その際に転倒したが、診断を受けたところ外傷はなく、MRI検査でも異常はなかったという。ただ、本人が体調不良を訴えたため、ドクターが脳振とうの可能性があると考慮し、大事を取って28日の試合は出場を見送った。

 北薗は食事を取ったり、試合に出場するチームメートを気に掛けるなど落ち着いた様子だというが、遠藤監督は「声を掛けるのも残念。決勝に出て負けるよりも悔しいと思う」と、夢舞台の畳に立てなかった無念を思いやった。

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