笑顔の10位 パラトライアスロン・谷真海「この場に立てて幸せ」開会式では旗手

 10位でゴールする谷真海=お台場海浜公園特設コース
 谷真海のラン=お台場海浜公園特設コース
 谷真海のラン=お台場海浜公園特設コース
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 「東京パラリンピック・トライアスロン」(29日、お台場海浜公園)

 女子(運動機能障害PTS5)が行われ、開会式で日本選手団の旗手を務めた谷真海(39)=サントリー=は1時間22分23秒の10位だった。

 招致に携わった大舞台で、全てを出し切った。最後はサングラスを外して仲間がいるスタンドに手を振って笑顔でゴール。踏ん張り切れず10位に終わったが、「苦しかったけど、これも含めてトライアスロンなので。この場に立てて幸せな気持ちの方が今大きい」と充実感をにじませた。

 苦難の連続だった。「自分のクラスがなかったり、延期で厳しいかなと思ったり…」。谷はPTS4のクラスに所属しているが、18年に同クラスのレースを実施しないことが決定。そのため、障がいが1段階軽いPTS5での出場を目指した。39歳のベテランには1年延期も不安材料。それでも、諦めることなく厳しい選考を勝ち抜いてきた。

 さまざまな逆境を乗り越えてきた道のりを振り返り、「家族は1番だけど、多くの人の支えがあってここに立ててゴールまでたどり着いた。これまでの時間が私にとって素晴らしい経験という宝物になった」。自身も貢献した招致決定から8年。レースを終え、「充実感でいっぱいです」と胸を張った。

 谷は中学校から陸上競技を始め、早大在学時の2001年冬に骨肉腫を発症。02年4月に右脚の膝から下を切断した。04年アテネ大会から走り幅跳びで3大会連続出場。13年には東京2020大会の招致活動にプレゼンターとして携わり、スピーチで貢献した。16年に練習の一環として取り組んでいたトライアスロンに転向し、同競技での出場は今回が初となった。

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