パラ競泳 山口尚秀が世界新で金メダル獲得「2つの課題を達成できてよかった」

 男子100メートル平泳ぎ(知的障害)予選 力泳する山口尚秀=東京アクアティクスセンター
 男子100メートル平泳ぎ(知的障害)予選 力泳する山口尚秀=東京アクアティクスセンター
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 「東京パラリンピック・競泳」(29日、東京アクアティクスセンター)

 男子100メートル平泳ぎ(知的障害)決勝が行われ、世界記録保持者の山口尚秀(20)=四国ガス=が自身の持つ世界記録を0・23秒上回る1分3秒77で金メダルを獲得した。

 スタートから積極的に前に出て50メートルをトップでターン。最後まで隣レーンのライバルとの競り合いとなったが、粘りの泳ぎで激戦を制した。

 本命種目で「世界記録の更新ならびに金メダルを獲得獲得できたと言うことで、二つの課題を達成できたのでよかった」と山口。フィニッシュ後も特に笑顔は無く順位とタイムを確認し、「ああ、金メダル取れた、ということと、3秒台が出せた、ということ」を思ったとひょうひょうとしていた。

 これまでの「世界記録保持者」に加えてこれからは「パラリンピック金メダリスト」の肩書も加わる。「今後大会に出るときでも、しっかりこのレースのようなパフォーマンスを出していければ」とさらなる高みを見据えた。

 山口は3歳の時に知的障害を伴う自閉症の診断を受けた。小学4年から水泳を始め、16年の全国障がい者スポーツ大会に出場したことをきっかけに、本格的に競技に取り組み始めた。19年ワールドシリーズメルボルン大会で国際大会デビューすると、同年世界パラ水泳(ロンドン)100メートル平泳ぎで当時の世界記録を更新して制した。

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