水谷隼 目の不調は視界砂嵐症候群「私生活でも厳しい」引退の引き金に
東京五輪卓球混合ダブルス金メダルで、男子団体でも銅メダルを獲得した水谷隼(32)が30日、所属する木下グループ本社で報告を行った。現役引退の意向を表明しているが、その引き金となった目の不調について「ビジュアルスノウ(視界砂嵐症候群)」だと明かし、「私生活でも厳しいところも出てきた。これからストレスを感じながら卓球を続けていくのは難しい」と改めて語った。
水谷は2度のレーシック手術を受けた後の18年頃から、目の不調を訴えていた。治療を続け、試合では特注のサングラスを着用するなど工夫を重ねてきたが、LED照明などの影響でボールが視界から消える症状は改善しなかった。
集大成と位置づけた東京五輪では悲願の金メダルを獲得したものの「全然いいパフォーマンスはできなかった。ボールが見えなくてミスすることも多くて、映像を見直しても、角とか空振りとかばっかで本当につらかった」と明かし、「オリンピックに臨むに当たって数え切れないくらいの薬とかサプリメントとか目薬を、あり得ない量を摂取してきて、一日一日それで延命してきた感じ」と悲壮な状況を告白。「もう一度それをやり直すことは絶対にできない。皆さんが思っているようなパフォーマンスはできないし、自分の心の中でも、オリンピックと同じような状態で臨むのは不可能」と語った。
ただ、9月9日開幕のTリーグにはスポット的に出場する可能性を示唆。「選手というより、愛好者としてプレーしている自分を見てほしい」と語った。