国枝慎吾、大逆転の4強 熱戦演じたウデとは「パリで会おうぜ」と約束
「東京パラリンピック・車いすテニス男子シングルス・準々決勝」(1日、有明テニスの森)
世界ランク1位で第1シードの国枝慎吾(37)=ユニクロ=が第6シードで50歳のステファン・ウデ(フランス)に2-0で逆転勝利し、2大会ぶりの4強入りを果たした。国枝は5大会連続のパラリンピックメダル獲得に王手をかけた。
小雨の中、大逆転でライバルとの熱戦を制した。国枝は第1セットの第1ゲームからブレークされると、なかなか点数を重ねられず、2-5とリードを許した。「取られることを覚悟した」が、「やるべきことにフォーカスした」と脅威の巻き返しで6-5と逆転。その後6-6でタイブレークに突入し、セットポイントを握ると「よっしゃー!」と声も出た。さらに1点を重ね、9-7でタイブレークを取った。
第2セットは序盤から3-0とリード。最後まで流れは渡さず、6-3で勝ち取ると、喜びをかみ締めるように右手でガッツポーズした。
試合後は、コート上でウデと健闘をたたえ合って「パリで会おうぜ」と約束した。「彼以上のライバルはこの先いない。毎ゲームタフですし、年齢のことを言うのは失礼ですけど、リスペクトしかない」。尊敬を語りつつ、「彼も2024年までやると日頃の会話で言ってる。“僕もやろうかなー”っていう感じですかね、まだ分からないですけど」と笑った。記者からの「期待していいですか?」という質問には、「頑張ります」と誓った。
男子シングルスの08年北京、12年ロンドン大会を制したレジェンドは、ライバルとの熱戦を終えて「自信になるゲームだった」とうなずく。王座奪還まで、あと2勝だ。