大矢勇気が銀メダル 亡き母に届けた!「喜んでくれるんじゃないかと」

 「東京パラリンピック・陸上男子100メートル(車いすT52)」(3日、国立競技場)

 男子100メートル(車いすT52)で大矢勇気(39)=ニッセイ・ニュークリエーション=が17秒18で銀メダルを獲得した。初採用の400メートルユニバーサルリレー予選で日本(沢田優蘭、大島健吾、高松佑圭、鈴木朋樹)は全体4番目の47秒94をマークし決勝に進んだ。

 雨音をかき分けるように号砲が鳴る。一番前に飛び出したのは、39歳の大矢だった。得意の序盤で加速にかかる。前へ、前へ。だが無情にも、少しタイヤが滑った。「しまった」。痛恨のミスに焦ったが、「金メダルを獲る」と、とにかく「無我夢中」で走り続けた。終盤で米国のマーティンに抜かされたが、何とか銀メダルは死守。「最高です。良かった。いい経験をさせてもらいました」と胸をなで下ろした。

 亡き母・洋子さんにささげるメダルだ。洋子さんは11年、がんで死去。大矢は「一緒にいたい」と12年ロンドン大会の日本代表選考会を辞退した。亡くなる3日前、洋子さんは「世界の舞台で戦えるように頑張りなさい」と言い残した。その言葉を胸に、初の夢舞台に挑んでいた。

 「本当は金メダルを獲って、母親に見せたかった。そこは悔しいんですけど、たぶん喜んでくれるんじゃないかと思っています」。声を奮わせた大矢の姿は、天国で見守る洋子さんにも届いたはずだ。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス