杉浦、自転車初!2冠 最年長金から3日「また更新しちゃいました」
「東京パラリンピック・自転車女子個人ロードレース(運動機能障害C1~3)」(3日、富士スピードウェイ)
女子個人ロードレース(運動機能障害C1~3)で、50歳の杉浦佳子(楽天ソシオビジネス)が1時間12分55秒で優勝し、日本勢最年長金メダリストとなった8月31日の個人ロードタイムトライアルに続く2冠を達成した。自転車で日本勢の同一大会複数「金」は初めて。
独走でゴールラインを駆け抜け、満足そうに左拳を握りしめた。自転車女子個人ロードレースの杉浦が2冠を達成。日本最年長金メダリストに輝いてから3日後の快走に「最高ですね。何とかメダルに食らいつきたいと思っていた。また(最年長記録を)更新しちゃいました」と笑った。
富士スピードウェイや周囲の公道13・2キロを3周した。前日からの雨で路面が滑りやすい状況にも、冷静に先頭集団を走った。残り1周手前、最終ストレート前の長い上り坂でペースを上げ、先頭集団を絞り込む。残り3キロ付近でスパート。中国の2019年世界選手権女王との一騎打ちとなったが、最後の上り坂で突き放した。
2016年の自転車レース中に転倒。右半身のまひや記憶が途切れる障害を負ったが、リハビリとして自転車を続けた。昨年秋には、筋力トレーニングの際に深く息を吐くことを意識。ぜんそくの症状もあるが、レース中に心拍が速くなっても呼吸は乱れなくなった。
記憶障害があるが、攻略点を押さえた力走で2種目とも圧勝した。年齢を苦にしない秘策を問われ「自分の年が分からないからかな」と冗談を飛ばし「今回で運は使い果たした。これからのことはコーチとビールを飲みながら考えたい」とすっきりした表情で話した。