銀メダルの上地結衣、表彰式後も涙止まらず「やり切った意味も、負けた悔しさも」 車いすテニス
「東京パラリンピック・車いすテニス女子シングルス・決勝」(3日、有明テニスの森)
リオデジャネイロ大会銅メダリストで世界ランク2位の上地結衣(27)=三井住友銀行=は、3-6、6-7)で同1位のディーデ・デフロート(オランダ)に敗れた。金メダルには届かなかったが、同種目で日本勢最高となる銀メダルを獲得した。
敗れはしたものの、計6度のマッチポイントをしのぐ脅威の粘りで見せ場をつくった。第1セットを落とし、第2セットは3-5と後がなくなってから諦めないプレーを披露。第9ゲーム、第10ゲームでマッチポイントを何度も防ぎ、5-5で並んだ。タイブレークでは1-0から7ポイント連取されて、力尽きたが、最後まで諦めない大熱戦に惜しみない拍手が送られた。
試合後のインタビューエリアでは「本当に止まらない」と、どんどんあふれ出てくる涙を手でぬぐった。「やり切ったという意味の涙でもあるし、でも負けるのはすごく嫌で、負けた悔しさもある」と明かし、「試合が終わったときの方がスッキリしていたが、いろいろ思い出すと涙が止まらない」。晴れやかさと同時に、時間がたつほど沸々と悔しさがわき上がってきた。
パラリンピック決勝の夢舞台で、世界最高峰のプレーを見せた。「いいライバル関係。彼女の存在によってレベルを上げてもらっているところも大いにある」と話しつつ、「それを言うのも勝たないと意味がない」と上地。また、表彰式後には金メダリストから「いいプレーだったよ」とねぎらいの言葉を掛けられたといい、「(その言葉に)ありがとうというよりも悔しかった。そう思っているってことは、自分もまだやっていける」。勝負師としての闘志を再確認し、3年後のパリ大会に向けた新たな始まりを予感させた。