国枝慎吾が涙の金「引退を何度も考えた」リオ五輪の悪夢から王者奪還
「東京パラリンピック・車いすテニス男子シングルス・決勝」(4日、有明テニスの森)
第1シードの国枝慎吾(37)=ユニクロ=が第8シードで28歳のエフベリンク(オランダ)に2-0のストレート勝ちし、3度目の金メダルを獲得した。パラリンピックでのメダル獲得は5大会連続の快挙となる。
勝利の瞬間は「信じられなかった」という国枝。目元を押さえ、歓喜の涙を流した。試合後のインタビューでは「まだ夢の中にいるような気持ち。この日のために全てを費やしてきたので報われて良かった」と笑みを浮かべた。
パラリンピックは04年アテネ大会から5大会連続で出場。シングルスは08年北京、12年ロンドン大会で2連覇したが、3連覇を狙った16年リオ大会はベスト8に終わった。その雪辱を果たす大会でもあった。
「リオの後は引退も何度も考えた。まさか世界一に復帰してこうして東京パラリンピックで金メダルを取れるなんて、リオが終わった後を考えると、信じられない」
自国開催の夢舞台で金メダルを獲得。この日も圧倒的な強さを示した。第1セットでいきなりブレークを許すも、次第に調子を上げ、6-1で奪取。第2セットも6-2と圧倒して勝利につなげた。
今大会のシングルスは初戦から決勝まで全てストレート勝ち。“完全制覇”で夢舞台を終えた。国枝は「本当に支えてくれた妻や、コーチ、トレーナー、本当にこの舞台に立たせてくれて感謝の気持ちでいっぱい」と思いを伝えた。