国枝慎吾が涙の金「一生分泣いたし、もう枯れました」【一問一答】
「東京パラリンピック・車いすテニス男子シングルス・決勝」(4日、有明テニスの森)
日本選手団主将で第1シードの国枝慎吾(37)=ユニクロ=が第8シードで28歳のエフベリンク(オランダ)に2-0でストレート勝ちし、2大会ぶりの金メダルを獲得した。以下は国枝の一問一答。
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-決勝を終えて。
「いやーもう本当に信じられないの一言です。勝利の瞬間はそう思いましたし、マッチポイントは全然覚えてないです。最後の瞬間は全然思い出せない。それぐらい興奮した瞬間だった。一生分泣いたし、もう枯れましたね」
-涙の意味。
「重圧はかかっていた。重圧があればあるほど勝利の味は格別なものになると常々思っている。重圧があるからこそ勝利の瞬間に思いっきり泣ける。パラリンピックの重圧をひしひしと感じた」
-シングルス、ダブルスを通して4つ目の金メダル。
「一度リオで挫折を味わってる。まさかこうして金メダルをまた首からかけられるのは、北京、ロンドンとは全然違う。それだけテニスの良さも怖さも、身をもって感じてるキャリアがある。勝つむずかしさを年々感じてますし、何度も“自分はできるんだ、俺は最強だ”と言いきかせますけど、心の奥底では疑う自分がいた。その戦いはありました。そこに打ち勝った」
-東京大会への思い。
「もう一度金メダルを獲って最強を証明したいと本当に思ってましたね。全豪オープン、全仏、ウィンブルドンも敗れて。めちゃくちゃ焦ってました。そのたびにテクニックも変えましたし、自分を疑う気持ちはすごく出てきていた。バックハンドなんてこの大会に入る1週間ぐらい前にようやく定まった。1週間前を考えると、こうして金メダルを掲げてるのが嘘みたいですね。それぐらい自分のテニスに迷いもあったし、眠れない日もあった」