赤字確実の組織委 負担はどこが?武藤事務総長「都、国と意見交換しながら解決策を」
東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長、武藤敏郎事務総長が大会全日程終了から一夜明けた6日、メーンプレスセンター(MPC)で総括会見を行った。
大会終了を受けて、今後は重たい現実に再び焦点があたることになる。大会の1年延期と新型コロナウイルス対策で、東京五輪・パラリンピックの開催経費は昨年末の時点で1兆6440億円に膨らんだ。このうち大会組織委員会は7210億円を担い、東京都は7020億円、国は2210億円を分担する計画となっている。
さらに大半の会場で無観客となった影響により900億円のチケット収入も大半を失った組織委。組織委幹部は「赤字になることは間違いない」と話しており、招致段階の立候補ファイルでは、組織委が赤字となった場合は都が穴埋めし、都が賄えない場合は国が対処することになっている。武藤事務総長はこの日、「収支が整わない場合は都、国と3者で意見交換しながら、解決策を見出していくことになる」と、話した。
今秋に本格的に協議が始まる見通しだが、すでに丸川五輪相が「都の財政規模を踏まえると、組織委の資金不足を補填できない事態はおよそ想定しがたい」と話し、小池知事は「想定外の事象が生じた場合は、IOCや政府、組織委を含めて協議が必要になると理解している」と、押し付け合いの前哨戦は始まっている。
大会関係者は「基本的に都が払うことになる」と指摘するが、さらなる公費負担の増大は都民の理解を得る必要があり、調整は難航必至とみられる。