五輪選手村ベッド1・8万床を施設で再利用 エアウィーヴが寄贈「質の高い睡眠を」
寝具メーカーの「エアウィーヴ」は8日、東京五輪・パラリンピックの選手村で使用されたベッドのマットレス約1万8000床分を青少年施設などに寄贈すると発表した。
選手村に提供された同社のマットレスは、反発力の異なる3種類のものを選手の体質に合わせて組み替えられる特性を持つ。この日、都内で行われた寄贈式では、普段から同社の寝具を使用している東京五輪柔道金メダリストの阿部一二三(24)=パーク24=と阿部詩(21)=日体大=の兄妹が出席。今回、1万床のマットレスは青少年の教育施設等に寄贈されるが、阿部一は「質の高い睡眠を体験してもらって、これからの若い世代の人たちが活躍するのを心から願っている」と期待を込めた。
また、ベッドフレームは段ボール製であることも話題となった。五輪大会中には、イスラエル選手数名がベッド上で飛び跳ねて破壊する動画が拡散され、各方面から非難を浴びたが、同社の高岡本州社長は「選手2、3人が上でジャンプするくらいは想定していたので、荷重がかかる下の部分は耐性を持たせるために段ボールを使った」と改めて説明。軽くて移動させやすく、古紙として再利用しやすい利点があったが、強度も特長だったといい「木や金属だと上でジャンプすると折れてしまう。イスラエル選手が9人でジャンプして壊れたとあったが、木だと3人で壊れる」と話した。