一人横綱照ノ富士には「優勝を目指して」大関勢にはV争いノルマ 伊勢ケ浜親方

 「大相撲秋場所」(12日初日、両国国技館)

 日本相撲協会は10日、初日、2日目の取組を決め、取組編成を担う審判部の伊勢ケ浜部長(元横綱旭富士)が会議後に電話取材に応じた。

 横綱白鵬が部屋で新型コロナウイルス感染者が出た影響により全休。弟子の新横綱照ノ富士(29)=伊勢ケ浜=がいきなり一人横綱となる。

 同部長は「一人横綱だし、初めての横綱の場所で、いろんな思いがあるだろうけど、優勝を目指して頑張らないといけない立場なので、それは頑張るんじゃないですか」とハッパをかけた。

 新横綱の重圧、横綱土俵入りなど、これまでとは雰囲気も違う。「土俵入りもあるし、普段とは違うことをしながら相撲をとっていく。ただ、いざ相撲を取るとなったらみんな一日一番で相撲を取っている。そこはあまり考える必要はない」と信頼した。

 大関陣はV争いがノルマ。4回目のカド番となる貴景勝(25)=常盤山=に対し「けがしないように基本に沿った相撲を取らないとそうなる。そういったことをしっかり治すのが課題」と語った。

 最近、勝ち越しがやっとの正代(29)=時津風=にもハッパ。「大関に上がった頃の相撲と変わった。前にも出なくなった。良かった時の相撲を思い出して、それを本場所で出せばまた芽が出てくる」と復調を期待した。

 新関脇明生(26)=立浪=も将来性は高い。「もうひと回り、ふた回りしっかり筋力をつけて、立ち合い鋭く当たりをするのと土俵際の詰めをしっかりすること。そういったことをできればもう一つ上を目指す相撲になってくる」と、次の大関候補と目した。

 東前頭筆頭まで番付を上げた、元横綱朝青龍のおい、豊昇龍(22)=立浪=も若きホープ。「まだ体の線が細い。体を作って上位に挑戦した方がいいけど。小さいまま無理な相撲を取ってけがしても困る。相撲っぷりがけがしやすい。内掛けにいったりとか。引いたり、いなしたり。やはりもっと体を作ってくれればいい」と語った。

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